青パーカーの書き散らし

宗谷岬でまた会おう。旅の記憶と知識の記録。

18.08.30 バイト上がり_冬とバイクについて

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突然ですが、私は冬の道が好きです。

ドカッと積もった白色の粉や、削ればガリガリと音がしそうな路面が大好きです。
晩秋の寒空や夏の夕暮れ時も好きですが、今回はそんな冬の話をしましょう。
 
冬に走るようになったのは、私がバイクを買った年。
当時所有していた"2号さん"というスーパーカブ50 DX(2008 タスマニアグリーンメタリック)で通学した時が初めてでした。
その年はあまり雪も多くない年だったことと、通学距離が短いこと、おまけに知識が無かったこともあってイノウエのNF6とNR6を使っていたと思います。つまり全後輪ノーマルタイヤ
両足をついてアイスバーンの上をトロトロと、片道4kmほどの通学でした。
 
次の年の2016年、カブで日本中を放浪します。
エンジンの故障や滞在費等が嵩み、事前に練った計画はすぐに破綻。それでも時間的な安全マージンだけはとってあったので、沖縄でバイトしつつ越冬するかこのまま帰るか、鹿児島の離島を走りながら悩みました。
結局は最後に周る予定だった四国を捨てて石垣島でバイト。石垣島についた時には現金が700円ほどしか無かったので、とりあえず沖縄-石垣島の飛行機代と沖縄-鹿児島のフェリー代だけ稼ぐかーってな感じで働きました。
そうして実家に帰れそう+アルファな分のお金を稼いで、12月半ばくらいに帰ったわけです。ろくな装備もないまま12月の本州に舞い戻ったため観光はあまりせずに帰ることになりました。ということで、家に着いたときには10万円くらい余裕があったと思います。
 
北海道で年越しするなんて話は、バイクに乗り始めた前からずっと頭の片隅にありました。"やりたい"という固い意志ではなく、バイクに乗り始めた人が北海道、特に宗谷岬へ行くことを夢に見るように、"いつか行けるようになったら行きたいな"みたいな、ふわふわした気持ちです。
ただ、自分は学生の一年間を棒に振ってやりたかったことをやりました。だから、ついでにやってみるかと。そんな風に冬の北海道行きの装備を揃え始めたのです。
 
これが2016年の冬。(2020.10.10 リンク切れですね。近々また公開します)
 
冬の北海道を走る構想自体は10月の少し前くらいから始めたので、車両を手配したのもこの時分です。
流石に排気に白煙が混じる急造のリトルカブモドキでは青春18切符を買って帰ってくるのがオチです。でも今考えてみるとそっちのほうが面白かったのかも。
 
だから、本格的に冬に走り出したのはこの年のこと。
 
おおよそ生物が進んで根を張ろうとするような環境ではない。そんな場所を自分と二輪車一台の限りなくチッポケなな存在が駆け抜けるのはとてつもない冒険であり、その世界を知らない自分にとっては世界の真理を探求することと同じ意味がありました。
 
どうすれば転ばないのか、どうすればうまく走らせることができるのかはすべて手探りで、これまで生きてきた世界での常識はそこそこまでしか通用しない。
 
地図代わりのスマートフォンは寒さで機能しなくなる。
 
氷点下10度を超える環境でのビバーク
 
見える景色はいつもの数倍美しく、どこまで走っても人は少ない。
 
 
自分と、愛車と、あとは過酷で美しい大自然
これが楽しくないわけが無い。
 
 
だから、僕にとっては冬に走れることは何物にも代えがたいもの。
喫煙家が煙を吸うのが至福であるように、こればかりかは経験者にしか分からない。
 
長くなってしまったが、今年もまた行こうと思います。
もうインジェクションのバイクは持ってないので、今年はきっとこのどうしようもないリトルカブで。
 

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