21.1.1-2 冬北20 #6 脱出行

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脱出のために状況の整理を行います。
まず、現在地の確認。
枝幸市街から4kmほど離れた、緩い登りの林の中。街灯は無く、路肩待避帯もおそらく設定されていないような道のど真ん中です。
昨日のサロベツ原野と違うところは、雲が無くてちょうど左眼下に望む海の波形がわかるくらいの月光下。
LED自光式矢羽根(緑)が等間隔で配置されています。
時節、場所柄数十分おきに車が通ればいい方ですね。
路面状況はタイヤ跡の部分はフラットアイスバーンと圧雪の混じったもので、端の方は2、3cmくらい積っているような感じ。

登りがまだ続きそうですが、海沿いに町があると言うことは港がある→低部に位置するはずなので、しばらくしたら下りになるでしょう。

カブの状態ですが、登りに差し掛かって、それまでの3速のままアクセルをやや捻っていったときに抵抗感とともに吹けなくなくなる感触。間違いなくピストンとシリンダーが焼き付く時の症状。過去に何度か経験しました。
路肩に止めてヘッドライトを切ってウインカーとテールのみにして再始動を試みた時は、最初はキックが重く抱いている感触でしたが、2、3発でスカッとした感触に。開けていないんでなんとも言えませんが、ひょっとするとピストンに穴が空いたかバルブが曲がってしまったような......。

とりあえず再始動はダメ、押して枝幸まで行けばなんとかなるだろうということは分かりました。この時点でJAFは次の手段、ヒッチはその次の手段に温存です。

フリース以外は脱いで、脊椎のプロテクターは風防にひっかけ、ヘルメットはリアキャリアへ。

10歩進めば止まり、喘ぎして、無限の坂道に高抵抗路面(ただし足元は滑る)を無理矢理押して進む。
食糧もビバークの準備も完全に出来ているため、最悪は路肩にカブを止めて藪の中へツェルトを建てて過ごせば良い。
右手にある天北線跡の架線がうらめしい...


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なんとか頂点まで登って、下へ。
息はずっと上がりっぱなしで、-14℃の空気は刺すようにして肺に入ってくる。
ナトリウムランプの元まで行って少し休憩して動き出したら、視界が真緑に包まれ、エッジ立った枠がチリチリと瞬く。一瞬持病の偏頭痛か?と思いもしましたが、低温で高負荷な運動を続けていたせいで血が登り、補色が強く視界に反映されただけなんだと思います。 アルティメットちいちゃんのかげおくりですかね。

まぁなんかそのあとど忘れが多くなったんで、多分脳神経の何本かは飛んだ気がします。過去にも何回かツーリング後にこんなことがあったので、あまりにもハードな行動は控えたほうがいいと思います。何ヶ月かすれば元に戻るので、あまり心配していません。


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で、民家が見え始めた頃 路肩にバス停を発見したので、停められるギリギリのところへカブを停めて必要な荷物一式を持っていってここをキャンプ地にします。
作り置きの紅茶を少し飲んで、再びダウンを着込んで就寝。


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開けて1月2日。
昨夜のうちにバスの時刻表を確認しておいたので、その1時間前には起床。
結果としてバスは運休していて来ませんでしたが、こうしたことをする場合の最低限のマナーかなと思うことの一つです。


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窓と扉を少し開け、バーナーでお湯を沸かして紅茶を作って葛根湯と飲み込みます。昨夜は疲労のせいか怠ってしまった靴下の交換と空腹で0時くらいに一回目が覚めましたが、それ以外はなんとか眠れまいした。
1時間かけて荷物を積んだり肌着を変えたり動ける準備をして、貴重品と電気もの、ツーリングマップル、カメラ、手袋、ハクキンカイロなどを底に穴が空いたスタッフザックに詰め込んで、手には紅茶の入った水筒を、吹雪いていて前が見えなかったのでゴーグルも携えて枝幸まで歩きます。


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カブにはしばらく待っていてもらおう。


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セイコーマートで朝食。

交通手段を昨日のうちに調べておいて、枝幸にはバスターミナルがあることを把握しておりました。
ターミナルまではセコマから20分くらいかなぁ...


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うん...?
休み、ですか??

4日から動くなら間に合うっちゃ間に合いますが、2日間枝幸で過ごすことは難しいそう(できないことはない)。


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うーん、でも奥の張り紙と差異があるよなー。
TELしてみると、道北バスは1/3まで運休、宗谷バスは運行していて本日16:30に旭川まで出るみたいなので予約。


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10時になってお隣の西條がオープンしたので、ひとしきり物色して店内レストランのペリカンさんでコーヒーを頂いて#4の更新。
11時半になってトンカツ定食を頼んで、合計4杯コーヒーはお代わりして西条を後にします。
ホームセンターばりの品揃えで、枝幸で困ったらホーマックもあるし色々便利そうです。


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いやー、枝幸手前で故障したのは不幸中の幸いでしたね。
こんなに立派な町だとは思っていませんでしたもの...。
強運に生かされている感じがします。


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郵便局でお金を下ろして、国道沿いまで歩いて温泉に入りました。
16:30まで時間を潰すことを考えると、レストランに長居することはできませんがお風呂は長風呂してれば身体も休まるし良いことづくめです。
サウナでくてぇ、として、休憩所で椅子に腰掛けてペプシを飲みながら作戦を立てます。

旭川にはアップガレージはあるがパーツがある確証無し。北海道で絞ってヤフオクを検索してもエンジンはヒットせず。札幌まで行けばにりんかんがあるけど、症状的に腰上全とっかえだからエンジン買った方が安いんだよなぁ...。色々天秤にかけると、レンタカーでトランポが一番まともだという結論。なんとかお金も間に合いそう。


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ってことで、バスで都市へ向かいます。