前: 23.1.4 歳末鉄道紀行#5 直江津へ - 青パーカーの書き散らし(旧:heliumu-cublog)
1月5日
直江津駅にて
起きて、快活クラブから駅の方向に歩く。
昨日と同じマクドナルドで朝食を摂っていると上越線の関東行きが大雪で終日見合わせだという情報を掴む。
まさに、六日町から高崎に向かおうとしていたところだ。
仕方がないので、十日町までほくほく線で行って飯山線に乗ることにする。
乗りながら、ほくほく線の事をWikipediaで調べたりする。
大地を掛けるまっすぐな路線に、しばらくしたら雪が混じってくる。
十日町駅で下車。
この駅舎、昔訪問したJR北海道の留萌駅に雰囲気が似ているような気がする。
や、まあ"雰囲気が似ている"だけで、多分まるっきり違うと思う。
たぶん鉄道に詳しい人ならもっとベストマッチな駅舎を知っているはず。
志天 天ぷらラーメン 880円
駅前のすこしオシャンな天ぷら屋さんで、元祖と謳う天ぷらラーメンをいただく。
うどんに近い出汁に、天ぷらの味が麺と絡む。
天ぷらラーメンとGoogleで調べてヒットするのは北海道の積丹半島付近の情報だが、何度も北海道に行っているのに一度も食べたことは無いどころか、そんな情報は知らなかった。ソールフードみたいなものだろうか。
積丹半島はともかく、この天ぷらラーメンは旨い。
十日町に来たらぜひ食べたい一品。
食べ終わったら、次の列車が来るまでまだ時間があるから駅前を歩く。
この町は、「町」とつくような行政区分なのだが、わが町小浜市と比べれば随分と賑わいでいるような気がする。
駅前のブティックもちょっといい感じで、後は問屋や飲食もちゃんと営業している。
(駅前しか歩いていないので、本当の実力はわからない)
ところどころ、市民活動センターのフリーWifiスポットやら電脳コイルの世界が近くなったように感じる?QRコードでできた神社など、新しい概念が入っていたりして面白い。
十日町の町並みを地元に重ねながら、地方に住むということはどういうことなんだろうと考えてみる。
地方に住むということはこういうことだ。
多分ジジババ相手に産業をしていてもみんなでジリ貧になるだけで、その世界の外からお金を呼び込まなければならない。
すなわち、都会に住む人間から金を巻き上げる仕組みが必要なのだ。
古い時代なら、わずかばかりの観光資源に力を借りて御食国として栄えた時代からお墨付きの海の幸を旅館や民宿で振る舞えばよかった。
でもこの先行きの見えない時代でそれは可能だろうか。
おそらく、これからは既存の考え方がガラリと変わるパラダイムシフトが起きる。
いや、それはもう始まっているはずだ。
古いやり方にしがみついていては、おそらく未来は無い。
やってくるのは限界集落だ。
▲世にも珍しい横型の歩行者信号機...
天ぷらラーメンみたいに、売れる飲食店はどの時代にも需要があるが、駅前の立地じゃなければ恐らくジリ貧だ。
地方というのは恐ろしいもので、大抵の飲食店は最初だけしか見向きされない。
よほど旨いか、もしくは他の付加価値がなければ長続きしないのだ。
だから、結局は鉄道などでやってくる県外客を相手に商売することになる。
でも、私の地元は一時間スパンだったダイヤが歯抜けになるくらい鉄道にあまり価値が無い世界なので、それも多くは望めない。
なので鉄道客以外をメインペルソナに設定する必要があるが、地元にやってくる人なんてバイクに乗っている人か、釣り人くらいなんじゃないか?
カーッ、答えが出ねえ〜〜!!!
1時間半ほど十日町駅前を闊歩して、再び鉄道に乗り込む。
信濃川をつたって、ズリズリとエンジン音を唸らせて列車は走る。
トンネルをくぐったり、開放的な川のヘリをくりぬくようしながら進む。
途中北しなの線に乗り入れたりしながら終点の長野駅まで出たら、ホームで特急しなのを見送ってこの写真の大月行き普通に乗る。
これ、17:13から21:27まで乗っていたので、ひょっとするとトンデモ長距離普通列車なんじゃじゃないか!?と思って調べてみると、今でも7時間近く乗り続ける路線もあるみたいなので比べ物にもならなかった。
大月で乗り換えたら、高尾からは武蔵野線などを乗り継いで0時を回って埼玉まで帰ってきた。
結局、5日ある青春18きっぷのうち、実家と埼玉を除く3日間は快活クラブに泊まってしまった。
利用日 | 宿泊先 |
---|---|
12月28日 | 快活クラブ 上田 |
12月29日 | 快活クラブ 豊川 |
12月30日 | 実家 |
1月3日 | 快活クラブ 直江津 |
1月4日 | 埼玉の家 |
感想
18きっぷで延々鈍行に乗るのは、ケツが痛くなるって聞いてたけど痛くならなかった。
乗った車両がシートが柔らかかったのか、それともバイクで鍛えてたからなのかは分からないけれど、もし鍛えた結果だとすればこれだけでもバイクに乗ってきた甲斐があったのだろうか。
思いのほか快適だったし、古い車両を見るのは好きだった。
特にエンジンが付いている車両は、耳と全身を通して楽しめる。
逆に、電車は揺れるだけで、電車が走るような地域は人も多い。
人が多いのは嫌なのでせめて1両に5人くらいにしてほしい。
そう言う意味では飯田線の天竜峡以南は良かった。電波が届かなかったけれど。
やっぱり自分は懐古趣味な気がする。
あとは良いところでもあり良くないところでもあるのは、時間に縛られるところ。時間と同様に、空間もあまり広がりがない。
どっちも不便ではあるものの、狭い範囲でやりくりする必要が出てくるので逆に手前の世界が広がって見える...こともあると思う。
ここら辺は原付とオートバイの違いにも似ていて、ゆっくり走るぶんオートバイでは見えないものが見えるあの感覚に近いなと思った。
あとがき
帰ってきたら、家で育てていたパキラちゃんがしなってなっていました。
そういえばヨーロッパ軒を食べ忘れていたので、松本で明治亭のカツ丼を買って食べたんですけど肉が分厚かったです。
前にoshinさんと食べに行ったので知ってはいましたが、やっぱり肉はペラペラでジューシーなのが良いです。
ソースがうまく沁みるので、美味しいです。
列車に揺られながらいろいろなことを考えました。
でも、埼玉の家に帰ってきてこのカツ丼を食べている今も、何もかもが渦巻いていてパッとしません。
このブログを始めた2015年の春から数えて、もう少しで8年。
積み上げた年月の重たさが、ギシギシと頭上で圧力をかける...。
なにか大きな突っ抱え棒が外れそうな予感がする。
おわり
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