青パーカーの書き散らし

宗谷岬でまた会おう。旅の記憶と知識の記録。

カブC50E系の純正流用FI化#4 (ハーネス/ジェネレータ/ポンプ/O2センサ/タンク/油温センサの準備)

前回:カブC50E系の純正流用インジェクション化#3(エンジン/マニホールド) - 青パーカーの書き散らし(旧:heliumu-cublog)

前回はエンジンを搭載し、キャブレターのマニホールドを流用してスロットルボディを取り付けました。
今回は、まずは現在抱えている問題・課題の整理から始めます。

  • FI用のマニホールドは旧カブエンジンに付くのか?
  • 燃料ラインの配管は?キャブと違って圧がかかったラインでは?圧抜きのリターンがあるようなので、それも考慮しなければならない。
  • ハーネス。作るか?
  • ECU。フルコンでも買うか?
  • エンジン。そういえば105は壊れているし、CLは50のまま。
  • O2センサーはどこに付ける?
  • 同じく油温センサーは??

灰色の部分は前回までで解消した項目。
残りの項目をやってきます。

ハーネス作成

CL50 インジェクション化ハーネス作成

2021年8月某日、ハーネスが一時的に完成しました。
作成は1週間くらいですが、車載して試行錯誤したりするので完全体になるまではさらに4ヶ月かかります。

ベースはJBH-AA01、つまりインジェクション化された最初のカブのハーネスです。
もうHondaのラインナップからは外れましたが、リトルカブのFI車も同じハーネスです。
このハーネスをベースにした理由は、使用するECUがカブ系、ならびにフライホイールをAA02Eから流用するためです。

使うECUもこのハーネスに合ったものなので、基本はCL50の車体に合わせて延長する加工ですが、回路図を確認しながら随所に変更を加えました記憶があります。内容は覚えておりませんが、動くように作ればOKだと思います。

22.7.24 追記

JBH-AA01のハーネスにはバングアングルセンサーがあります。
取り付けておらず一向にエンジン始動できなかった事があるので、JBH-AA01ハーネスをベースにベンリィ(他)をFI化する場合は注意しましょう。

23.2.3 追記

FI警告灯についてはCL50のサイドスタンド警告灯をそのまま使っています。

ビックアップパルス

JBH-AA01(AA02E)のフライホイールをヤフオクで落札

はい、これがこの方法のキモになる純正流用部分です。
JBH-AA01=AA02Eのフライホイールとコイル一式を用意します。

AA02EとC50系のエンジンはクランク端の形状に互換性があるのでジェネレータ一式がポン付けできます。もちろんロンシン152FMIはC50E系と互換性があるので付きます。ただし、AA02Eのフライホイールは軸方向へのせり出しが多いのでロンシンだとクランクケースカバーにぶち当たります。なのでいい感じに削りました。

(写真なし)

これでFI用のピックアップパルス兼クランク角センサーが使えるようになりました。

O2センサーの取付け

カブの純正エンジンのO2センサー取り付け位置
出典: スーパーカブも乗ってるバイカーブログ‐雨ガエル1号・2号 クロスカブ・購入から1年です!

せっかくなので雨ガエルさんのブログから引用してみました。

純正のカブ系エンジンは、ヘッド(EXポート)に直接O2センサーが取り付けられています。
エギゾースト一本一本に溶接するよりも金型を作れば終わりなので安価、かつナローバンドO2センサーの活性化領域を上手く使うためには排気されてすぐの「新鮮な」排ガスが良いので、理にかなってると思います。

が、C50E系の金型には当然O2センサーの取り付け部分なんてもんは無いのでマフラーに取り付けます。

Outex CL50用マフラー

写真がおかしいのは、この頃iPhoneのカメラのガラスが割れていたせいです。気にしないでください。

純正のマフラーは50ccに最適化されたものなのでOutexで新調しました。
本当はタケガワのCL50用マフラーが欲しかったのですが販売終了しているみたいです。

Outexさんは発注時に言えばO2のボスを取り付けもやってくれるらしいのですが、これは後で知りました。
なので、ネットで調べて溶接やってくれそうなところに持ち込んでボス穴を取り付け。

これでインジェクション化に必須のO2センサーが使えるようになりました。

記憶が定かではないのですが、O2センサーはクロスカブのものを使っているはずです。 JBH-AA01 リトルカブFIが36532-GBJ-M31、EBJ-JA10 クロスカブが36532-K90-V01だったと思います。

燃料タンクと燃料ポンプ

燃料ポンプ取り付け

燃料ポンプは300kPaかつレギュレータ内蔵のものがAliExpress(中国大手ECサイトアリババグループ)に売っているのでこれを使います。
Injectorへの出力側はインジェクション用のコネクタを使用し、タンク側の経路はゴムバンドで配線すればOK。タンク側は通常のOutとInの2経路があり、燃料ポンプ(正確にはプレッシャレギュレータ)で燃圧力がレギュレートされると、過剰なガソリンはガソリンタンクに戻してやる必要があります。

300kPaが加圧されるのはポンプ〜インジェクターなので、タンク側の経路2つについては通常のホースでOKということです。加圧ラインは必ず耐圧ホースを使用します。

300kPaという数字は、カブの燃圧既定値294kPaを参考にしています。

燃料ホース作成

最初、こんな感じでリターン経路を作成しました。
が、エンジン始動しないのでやめましょう。
動かない理由は完全に解析できていませんが、おそらく稼働初期に混入する空気によりポンプ側に燃料が供給されず、レギュレータは加圧された空気をリターン経路に戻し、結果永遠に空気が循環してしまってるんじゃないかと思っています。

燃料ポンプが燃料を吸わない図解

図解するとこんな感じです。

CL50純正ガソリンタンクに燃料リターン経路を追加(JB weldを使用)

なので、経路を追加することにしました。
キャブ用のタンクだと穴が一箇所しか無いので、コックを増設します。
コックにした理由は、タンクを外すときにガソリン垂れ流しにならなくて済むので...出先でもタンクを外すことができるようになります。

油温センサ

油温センサは、温度変化により抵抗値が変化する素子です。
ECUは、これを元に始動時の増燃量を制御したりしていると考えられます。

C50E系には油温センサが取り付けられないので、ひとまず仮の抵抗を噛ませることでエンジンを稼働できる状態にします。

油温センサの測定

適当に測定して、だいたいいい感じの値を手元のカーボン抵抗で作ってハーネスにぶっ刺します。

23.2.4 追記:空燃比と温度に関する補足

始動時(冷間時)と温感時は、要求されるガソリンの量が変化します。

どちらかというと吸気温度の違いではなく、シリンダーブロックの温度の違いの話です。

ガソリンは-40℃付近でも引火するような気体ですが、温度が高ければ高いほど気化する量は増加します。
つまり、インジェクターにより噴射された液体ガソリンはその周囲の温度によって気化が促進されるため、シリンダーブロックの温度が高いほど理想的な混合気が形成され、逆に温度が低いと液体のままインテーク経路や燃焼室壁面にガソリンが付着してしまいます。
こうなると何が起こるかというと、制御しない場合は温度が低い時の空燃比が、壁面に付着するガソリンの量だけ薄くなります。

キャブ車でも寒い時期の始動時にはチョークを引いて濃くしてやらないといけないですよね。
(温度が高すぎるのも、プレイグニッションやパーコレーションを引き起こしてしまうので注意が必要ですが)

おわりに

  • FI用のマニホールドは旧カブエンジンに付くのか?
  • 燃料ラインの配管は?キャブと違って圧がかかったラインでは?圧抜きのリターンがあるようなので、それも考慮しなければならない。 → 解決
  • ハーネス。作るか? → 解決
  • ECU。フルコンでも買うか?
  • エンジン。そういえば105は壊れているし、CLは50のまま。
  • O2センサーはどこに付ける? → 解決
  • 同じく油温センサーは?? → 一時解決

ちゅうことで、とりあえずエンジンが動きそうな状況になりました。
次回、エンジン始動編です。

次回: カブC50E系の純正流用インジェクション化#5 (エンジン始動) - 青パーカーの書き散らし(旧:heliumu-cublog)



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