●前記事:16.06.06 【日本一周2日目】米原→岐阜→下呂温泉 - 青パーカーの書き散らし
2016年6月7日
3日目。
昨日は、当時のTwitterに「なんかブログ書く為にネタ探してる感があって嫌になってきた」と書いた記憶がある。
今となっては「〽そんな時代もあぁったねと」ですが、心の底から現実を楽しめなかったのは 果たしてキツいヘルメットやネタ探しのツーリングをしていたからでしょうか。
多分、自分の思う以上に理想と現実のギャップが激しかったのだと思います。
・・・。
今日は朝から雨。
自炊は諦めて、138円のコンビニのお蕎麦をいただきます。
朝食後、国道41号で下呂、高山と北上。
高山市 モンマートなかちょうで休憩。
蕎麦で足りなかったお腹を 300円弁当で満たす。
国道158で平湯へ下る。
ヒタヒタと、6月の雨が降ったり止んだり。
158の平湯トンネルを越えたときには青空と平湯の谷間に感動した記憶があります。
惜しいかな、写真を無くしてしまいました。
今でも大好きな平湯民族館
高山市平湯は、奥飛騨の温泉郷の一つ。
中ノ湯から上高地へ登るバスの拠点でもあります。
そんな中でも、清掃協力費300円という安さに惹かれて入った『平湯民俗館』の温泉は、2019年にも2回訪れるくらい大好きな温泉です。
初めて来たこのとき以来、この地域を通るときはよほど急いでいなければ必ず寄るようにしています。
赤褐色の沈殿物で橙色に染まった地面。
漂う鉄の匂い。
じっとりとした昼下がり、ゆっくりと時間を過ごします。
湯から上がり、お昼ごはんを兼ねて併設の民族館へ。
温泉の中で知り合った愛媛から来られたおっちゃんに宮川息吹の中華そばを頂きました。
温泉を巡っているらしく、青森に行ったら蒸ノ湯へ行くといいよ、と。
来館帳があったので記入。
雨に打たれ、つかの間休憩をしようと思わなければ出会えなかった素敵な場所と、人の縁。
この時間は大切にしましょう。
また...来てしまった...... pic.twitter.com/GPCELxL18V
— heliumu (@heliumu_cub) September 28, 2019
↑2019年の訪問時です。
風呂上がり、荷造りをしていると 荷物を積んだカブが来たのでお話しました。
沖縄にツーリングに行ったかなんだかの帰りで、ギターを背負ってのツーリング(?)。
しかも50cc、東京住まい。
良い青春。
このカブの方と喋っていると夕立が来て、急いでカッパを着ました。
カブの方に「上高地はすごい良かったから行ってみてください」と教えていただいたため国道158 安房峠の方面へ進んでみます。
・・・しかし、ゲートの付近からカブが全然登らない。
土砂降りのせいだろうか。
それともこの荷物がいけないのだろうか。
後ろからバスが来て、仕方がなく横に避ける。
・・・この天気じゃ上高地の景色もよくなさそうなため、仕方なく引き返すことにします。
ちなみに、このときは上高地には自家用車で行けないことを知りませんでした。
気持ちを切り替えて次の目的地を決めよう。
当時の自分はツーリングマップルと大判の道の駅マップ、GoogleMapが主な武器。
ここらへんは道が入り組んでいて最適解を探すのが困難なため、潔くGoogleMapを使いましょう。
GoogleMapを使用すると道の記憶があやふやになってしまう。
日記を見てみると、14時くらいに道の駅 アルプ飛騨古川に居たようです。
ということは国道158号を戻り、高山市街をかすめて国道472号で飛騨へと進んだはず。
・・・。
問題はR360に差し掛かるとすぐに発覚します。
左に曲がれの指示を出すGoogleと青看板。
国道のくせに、随分と香ばしい方向へ曲がるんだな。
「天生峠 19km」。
14:55
やってきました、ゲート付きです。
私は白川郷を求めただけだったが、その実酷道を通らねばならないようだ。
電波無し、原生林。
急傾斜でずっと一速。
この写真を撮ったときには、カブが転がっていってしまうんじゃないかとすら思いました。
サイドバッグが焦げる匂いを嗅ぎながら登りきって初めて、ここがすごく高い場所にある峠ということを知る。
大雨が来て、、、日が暮れて、、、カブが動かなくなって、、、。
いろんな事を想像して心細くなる自分と、このまま人も電波もない道を進むことは、何かすごく冒険をしているような気分になる自分が居ることに気づく。
晴れていれば見れていたであろう白山連峰を勝手に想像して、自分の中の岐阜のイメージはこの峠の体験が多くを占めるようになった。
この峠を越える前と越えたあとでは、確かに何かが変わった実感があります。
この感覚は何でしょう?
初めて見たものを親鳥と認識する雛のように、私もまた、初めて越えたこの高い峠をずっと記憶することなるのでしょう。そんな核心めいた感覚です。
16時。
やっとのことで下山。
みんな大好き白川郷。
車は18時までの駐車場利用ですが、バイクの場合は200円でいつまでも停めていて良いと教えていただきました。
この場所は岐阜県大野郡白川村 萩町地区。通称「白川郷」。
日本の豪雪地帯伝統の合掌造りの集落郡。
1995年には世界文化遺産へ登録されました。
日本の義務教育期間でも習う有名な文化遺産です。
こうした山奥の谷あいに居を構えるのは平家の落人という話が多いが、果たして白川郷は。
そういえば茅葺屋根の家はこの時代によくある建築様式ですが、合掌造りはひと味違った建築様式です。
他の地域では小屋組みの造りとするところを、合掌造り、すなわち扠首構造としてます。
高台へ登って、集落郡を見下ろしてみる。
大昔、この雪の多い土地で稲作と養蚕、里の恵みによって生計を立てた人々。
その暮らしは、実に無欲なものだっただろう。
この暮らしに満足して生きられたらどれだけ幸せなことだろうか。
・・・現代人は、他人の生活を見れるようになり、また多くの娯楽を知りすぎてしまった。
偶に観光地仕様のマンホールがありますね。
白川郷にもありました。
今では観光地になり切ってしまった白川郷もまた、現代の犠牲者なのかもしれませんね。
・・・いや、それは部外者の自分が言うのは違いました。
貴重な観光産業です。
今日の移動はここまでです。
できれば白川郷の民宿に泊まりたいですが、予算の都合上テントを張って寝ます。
いずれまた、泊まりに来ましょう。
米一合とサバ缶、のりたまを食べて就寝。
道の駅 飛騨金山ぬく森の里温泉→R41→(下呂)→R158→平湯民俗館→R360 天生峠→白川郷
ODO:33831.8km
この日の走行距離:206km
総走行距離:623.7km
支出:1280円